月見草、別名メマツヨイグサ。
初夏から初秋の夕刻に黄色い花を開き、翌日の午前中にはしぼみます。
月見草が属するマツヨイグサ属の植物は、夕方から花が咲くためこのように呼ばれるようになったそうです。
英語では夕暮れに咲くサクラソウの意味で、「Evening primrose」
ドイツ語では“夜のろうそく”の意味の「Nachtkerze」と呼ばれています。
月見草の花言葉
- 打ち明けられない恋
- 無言の恋、自由な心
- 美人、うつろな愛、移り気な人
日本への渡来
マツヨイグサ属の植物は、明治時代ごろに観賞用のため日本に持ち込まれ全国に広がったとされています。
太宰治は、1939年に富士の見える御坂峠の天下茶屋に2ヶ月ほど滞在して、その体験をもとに執筆した「富獄百景」。
その中で「富士山には月見草がよく似合う」「ちらとひとめ見た黄金色の月見草の花一つ」と月見草を書き表しています。
まてどくらせどこぬひとを、
宵待草のやるせなさ
こよいは月もでぬそうな。
(夢のふるさとー宵待草)竹久夢二
この歌は、大正末期に大流行。
上記の文章などからもマツヨイグサ属の植物は昭和初期には既に幅広く生態系を広げていたことが推測されます。
メマツヨイグサに含まれる豊富な美容成分
メマツヨイグサの種子には、母乳にも含まれているといわれるr-リノレン酸をはじめとする不飽和脂肪酸やポリフェノールが多く含まれています。
このメマツヨイグサの種子により得られた不飽和脂肪酸は月見草油と呼ばれ、化粧品にも利用されています。この月見草油は不飽和脂肪酸のため、光・熱・空気で酸化しやすい性質を持っています。
あるニュージーランドのメマツヨイグサ生産農家が、採取後6年経過した種子の発芽状態が良好であることを発見。このことが契機でマツヨイグサ属の植物に多くの種類のポリフェノールが含まれていることが発見されました。酸化されやすいメマツヨイグサの種子は、ポリフェノールという強力な抗酸化成分を持つことで、自らの機能を維持していたと考えられるのです。